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「オーシャンズ13」

2007.9.16

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公開中の映画「オーシャンズ13」を観賞。


監督:スティーブン・ソダーバーグ 出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チールド、バーニー・マック、エレン・バーキン、アル・パチーノほか 上映時間:122分 配給:2007米/ワーナー


一筋縄ではいかない豪華キャストでおなじみ「オーシャンズ」シリーズ。「11」「12」に続く第3弾は「13」。


プロの犯罪集団「オーシャンズ」のメンバーのひとり、ルーベン(エリオット・グールド)が、ホテル王ウィリー(アル・パチーノ)にハメられて、失意のどん底に突き落とされる。ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)は、ラスティー(ブラッド・ピット)ら「オーシャンズ」のメンバーを再び集め、復讐を開始する……。


オーシャンズに抱くイメージは「ルパン」だ。クライムムービーのクセして、そこにはクライムムービーにつきものであるダーティな雰囲気がまったくない。高難度なミッションを颯爽と(都合よく?)遂行する姿は「ルパン」のスピリットを彷彿とさせる。悪く言えば荒唐無稽。しかも、「オーシャンズ」の場合は、とっつぁ~んこと銭形警部張りの強力な追手もいないものだから、スリリングさという点では「ルパン」の足もとにもおよばない。


が、それがどうした。


そのマンガ的な脚本とノリが許されるのが、「オーシャンズ」シリーズにほかならない。見どころは、綿密な根回しからミッション本番へと続く一連の流れのなかでメンバーたちが見せるユーモアあふれるやり取りに尽きる。


「11」でムリクソ集められ、また、「12」で再びムリクソ集められたメンバーが、「13」では、「忠臣蔵」顔負けの結束力をもって敵討ちに出る。アクの強かった個々のキャラが、いつしか“ONE FOR ALL ALL FOR ONE”の意識へと変化しているところが、なんともほほ笑ましい。軽妙なテンポとブラックジョークを織りまぜたCOOLな会話、それに、随所にちりばめたオマージュと楽屋ネタが、この作品の推進力だ。


「オーシャンズ」のウリは豪華キャストだが、本来主演を張るべき人たちが、決して主演とはいえない役をキッチリと演じるプロフェッショナルさは、見ていてなかなか楽しいものだ。豪華キャストゆえのデメリットよりも、豪華キャストゆえのメリットを最大限に生かした、いや、豪華キャストでしか描きえない世界を作り上げている点は評価すべきだろう。


あとはくつろぎながら、オーシャンズワールドを味わうのみ、だ。


人工知能セキュリティをめぐっての攻防戦も笑えるし、ブラット・ピットもそこそこよく食べてるし、マッド・デイモンの“媚薬”や“付け鼻”もノリノリだ。そのほかにも、痛々しすぎるホテル批評家のくだりや、“人工地震作戦”や“ホテルの屋根をもぎ取り作戦”という、ぶっ飛びエピソードも恥じらいなくドーンと待ち構えている。日本のマーケットを意識しているのか、「煎茶&玄米茶」「久保田(日本酒)」「相撲」「日本製バイク」等、日本ネタも乱発されていたが、ありがちな勘違い解釈もなく、ホっとするやらしないやら。


コロっと転がるダイスの軽やかさ。あの空気感こそが「オーシャンズ」。今やハリウッドのギャラNo.1男マッド・デイモンに対して「ようやくヤツも一人前になってきたんじゃん?」とエラソーに突っ込みを入れられるのが「オーシャンズ」。どんなに難しいミッションも2シーンくらいの説明で成し遂げてしまうスマートさが「オーシャンズ」。能天気な気配を漂わせつつ、仮面の裏にクレバーな頭脳と仲間への愛情を隠し持ったメンバー。彼らの会話や思惑をニタツキながら観るべきが「オーシャンズ」。「13」に至っては、そこに名優アル・パチーノの“オーシャンズ理解度”100%の演技が華を添えているというワケだ。


アメリカ人でなければわからないようなネタに反応できない悔しさもあるが、それを差し引いてもそこそこ楽しめるエンターテインメント作品。ただし、奥深さやリアリティや感動などというものは、どこを探しても見つからないので、そうした期待はバッグにしまって劇場入りしたほうがいいだろう。


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