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「プラネット・テラー in グラインドハウス」

2007.9.19

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60~70年代に数多く存在した「インディーズ系の低予算映画=グラインドハウス映画」を現代によみがえらせようと、クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスがそれぞれにメガホンをとったタッグ企画「グラインドハウス」。


公開中の「デス・プルーフ in グラインドハウス」はタランティーノ監督作品で、9月22日より公開される「プラネット・テラー in グラインドハウス」はロバート・ロドリゲス監督作品。


先日書いた「デス・プルーフ in グラインドハウス」のレビューはコチラ。


本レビューは「プラネット・テラー in グラインドハウス」のほう。


監督・脚本・撮影:ロバート・ロドリゲス 出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、ジョシュ・ブローリン、マーリー・シェルトン、ジェフ・フェイヒー、マイケル・ビーン、レベル・ロドリゲス、ファーギー、ブルース・ウィリス、クエンティン・タランティーノほか 上映時間:105分 配給:アメリカ2007/ブロードメディア・スタジオ


舞台はテキサスの田舎町。米軍の悪人部隊長の生物兵器実験により、町中にウィルスがばらまかれた! 住人が次々とウィルスに感染し、感染者はゾンビとなって人々を襲う。町は大パニックになるが、なんとかして町を抜け出そうと住人たちが結託。果たして彼らはこの絶体絶命のピンチを切り抜けて、生き残ることができるのだろうか?


根っからの映画好き監督が、グラインドハウス映画に対する愛をたっぷりと浸潤させつつ製作した「プラネット・テラー」は、タランティーノが監督した「デス・プルーフ」同様、モロにB級テイストな映画に仕上げられている。


デジタル撮影ながらも、使い古しのフィルムについた傷や飛び、色あせなどを再現して60~70年代の雰囲気を演出した映像もさることながら(劇中にリールの喪失まで再現!)、BGMと効果音を多分に生かした演出、今さらながらに取り上げた“ゾンビ”というテーマ……、そのどれもが、古きよき時代の映画に対するオマージュにほかならない。


物語では、ホラーとアクションという2本の大黒柱を用意して、適度なドライブ感と緊張感を客に味わわせる。とくにホラーを超えてスラッシャーな映像(コチラは特殊メイクと最新技術のコラボ!)は最大の見どころで、内臓、脳味噌、性器、鮮血などをまきちらしながら、スクリーンを異常空間へと導く。グロいビジュアルは、見る人が見れば目を覆うレベルであることには違いない。


一方、後半に行くに連れてヒートアップするアクションは、あえてヒロインに大役を任せての大立ち回り。そのトリを務めた義足の痛快エピソードに至っては、笑って見届けることが正しい見方だと信じてやまない。そして拍手喝采をお忘れなく(笑)。


そんなホラー&アクションで全編をコーティングしながらも、要所要所にブラックジョークとユーモアをちりばめている点も職人の“粋”。注射針、レズ、バーベキュー、性器、タランチュラ、タランティーノ、スペシャルな義足、「1完消失」……。お馬鹿なネタでさえ大真面目に盛り込むサービス精神は、イヤラしいと言ってしまえばそれまでだが、“振り切っている感”があるだけに、潔し、と評価したい。


しかも、決して少なくないキャラクターの性格や内面を的確に描写すことにより、人間物語としてもそこそこ楽しめるようになっている。限られたシーンでキャラクターの人生背景までをにおわせる手腕は、お見事というよりほかない。


そういう意味では、グダグダのB級映画というよりは、ちょっぴり品があるうえに、整った脚本と演出完成度を誇る優等生的なB級映画(つまりA級?)といえる本作「プラネット・テラー」は、ディテールにあらゆる見どころをちりばめた職人監督のお家芸たる秀作。この映画に対して「新しさがない」という批評は、ある意味、最大の褒め言葉になるのかもしれない。


それにしても、新しさがない。


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