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「ルイスと未来泥棒」

2008.1.27

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公開中の「ルイスと未来泥棒」を鑑賞。


監督・脚本:スティーブン・アンダーソン 原作・製作総指揮:ウィリアム・ジョイス(『ロビンソン一家のゆかいな一日』) 製作総指揮:ジョン・ラセター 声優:ダニエル・ハンセン ジョーダン・フライ ウェズリー・シンガーマンほか 上映時間:95分 配給:2007米/ディズニー・スタジオ


『チキン・リトル』『ライアンを探せ!』に続く、ウォルト・ディズニー・スタジオ製作のフルCG長編アニメの第3弾。


孤児院で育てられたひとりぼっちの少年ルイス。発明好きの彼は、ある日、タイムマシンに乗ってやって来たひとりの少年に連れられて、未来へと向かう。“未来泥棒”による世界消滅の危機を救うには、ルイスの発明が必要だというのだが……。


注:内容にやや言及しています。


主人公の少年ルイスは、クールでカッコいい完全無欠のヒーローではない。彼は、寝ても覚めても大好きな発明のことばかり考えている研究者肌。その反面、発明以外のことには無頓着極まりない。養子面接のときでさえ、肝心な養父母(候補)の話も聞かずに、自分の発明の話に没頭。そして養父母たちにあきれられる(怒りを買う)のが常であった……。


言うまでもなく、人間は長所と短所をそれぞれに持ち合わせている。


しかし残念ながら、ルイスの長所に目を向ける大人は少ない。ルイスは発明に打ち込んだが、失敗も多かった。ルイスに向けられる大人たちの冷ややかな視線が、ルイスから自信を奪い取っていく……。


そんなルイスに転機が訪れたのは、ウィルバー・ロビンソンと名乗る少年に連れられて、タイムマシーンで未来に行ってからのこと。ロビンソン一家に頼まれてチャレンジしたある機械の修理がうまくいかなかったとき、意外にも、ロビンソン一家は、ルイスの失敗をことのほか喜んだのである。“失敗は成功の母なんだよ”、とばかりに。


くすんでいたルイスの目に、光らしきものが戻る。


くり返しになるが、人には長所と短所が必ずある。子供の場合はとくに、その長所と短所を大人たちがどう受け取るかによって、彼らの未来に大きな影響をおよぼす。事実、どん底の挫折を味わっていたルイスは、彼の失敗を祝福するロビンソン一家によって、自信を取り戻すことができた。


人生は紙一重だ。だが、その紙を握っているのは、ときとして大人たちかもしれない……。そんな示唆を感じさせるシーンだ。


「ルイスと未来泥棒」は、自分のやりたいことをやり続けることの偉大さを子供たちに伝えると同時に、大人たちに対して、子供たちに向けるまなざしの有り様を教えてくれる作品だ。自分らしく生きるロビンソン一家との交流を通じて人間的な成長を遂げるルイスの姿は、この作品を見る子供たちに、多くの勇気と希望を与えるだろう。


映画的には、とくにタイムマシーンを活用した巧みな伏線術が見どころだ。ルイスとロビンソン一家の関係が明かされてからのラスト30分で、点と点をつなぐように筆が流れ、最後には大きな未来絵図を完成させる。時間軸を利用しながら紡ぎ上げた美しく破綻のないストーリーは、子供だましの域を超えて、大人をも十分に楽しませてくれる。“未来泥棒”の過去にまつわるホロリとさせるエピソードもオツである。


最後に、エンディングでスクリーンに映し出されたこの文句を——。


過去を振り返らず、前へ進み続けよう。
私たちは好奇心にあふれている。
好奇心こそ新しい世界への道しるべだ。


byウォルト・ディズニー


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