「燃えよ!ピンポン」
2008.3.21

明日公開される「
監督:ロバート・ベン・ガラント 脚本:ロバート・ベン・ガラント、トーマス・レノン 出演:ダン・フォグラー、クリストファー・ウォーケン、マギーQ、ジョージ・ロペス、ジェームス・ホン、マシ・オカほか 上映時間:90分 配給:2007米/東北新社
天才卓球少年ランディはオリンピックに出場するも、決勝戦で惨敗を喫し、表舞台から遠ざかってしまう。19年後、彼はFBIから裏社会で極秘に行われる卓球世界大会に出場するよう指令を受ける……。
「燃えよドラゴン」(73年)をパロった、おバカな卓球エンターテインメント・ムービー。
基本は王道のリベンジストーリーながら、主人公のランディをはじめ、盲目(?)の老師匠、老師匠の姪にあたるセクシー嬢、秘密の要塞に住む極悪な卓球スタイルを持つ黒幕など、ウサン臭さ満点のキャラクター陣の立ちっぷりがナイス。完全にマンガのりだ。
とくに、主人公ランディは、愛すべき卓球バカであると同時に、太めなカラダ、ワイルドなもみ上げ、ロックなTシャツ……等々のルックス&スタイル、そして、強気と弱気の混在したキャラクターと、そのすべてが憎めない。主演のダン・フォグラーのモロにコメディな仕草や雰囲気、それにアドリブOKな演出も、この作品の大きな武器だろう。
目玉のコメディは、あざとい笑いで押し切ることも、ヒネリをきかせた高尚な笑いを押し付けることもなく、おもいきりベタ志向(けどコダワリがある)で好感度“大”。ダーク&クライムな舞台設定も、そのインチキくささを笑い飛ばすことさえできれば、この物語のテンションにはピッタリ。大味なストーリー&展開も、それがどうした文句あっか、だ。
一方、見ていて痛快なのが、CGを駆使したカンフー・アクション仕込みのピンポン描写だ。だれもかれもが曲芸師よろしくスゴ腕の持ち主で、それぞれに秘技や裏技をもっているというサービス精神旺盛さ。荒唐無稽な試合内容も、ここまでウルトラな離れワザを見せつけられては、文句のつけようもなし。「少林サッカー」(01年)の系譜に属する作品といえば分かりやすいだろうか。もちろん、卓球の面白さを伝えようなどという殊勝な心がけは、いっさい見当たらない(苦笑)。
裏社会でのデスマッチ・トーナメントをはじめ、あり得ない設定のなかで、大まじめにピンポンバトルをくり広げる登場人物たちが愛しいのはもちろん、テンポも尺(90分弱)も申し分なく、ロックなBGMもハマリまくり。引き出される笑いは、あくまでも「クスクス」系ながら(爆笑系ではない)、満足度の高さはなかなかのもの。しかも、ストーリーのなかにもグイっと引っ張り込んでくれるアクション・コメディ「燃えよ!ピンポン」は、ふらっと劇場入りして、「あれ、けっこう面白かったなあ」と思える掘り出しモノだ。(ただし、必要以上に期待しすぎるのは禁物!)
アメリカ人にとって注目度の低いピンポンを題材にした意欲を褒めるべきか、北京五輪に合わせた戦略のしたたかさを褒めるべきか。いずれにせよ、製作者の心意気に、乾杯だ。
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