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「ホステル」

2006.10.10

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10月28日より公開される「ホステル」の試写。


総製作指揮:クエンティン・タランティーノほか 監督・脚本・製作:イーライ・ロス 出演:ジェイ・へルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン、三池崇史ほか 上映時間:93分・R-18 配給:2005米/ソニー


ドラマとして成り立っている良質のホラー映画。


鳥肌モノのおぞましいシーンもたっぷりと盛り込まれている。


しかも、なかなか奥が深い。


テーマは“顕在化する禁断の嗜好”といったところだろうか。


“女”を目的に欧州を旅するアメリカ人大学生ふたりと、道中で知り合ったアイスランド人ひとりの計3人は、「そこへ行けばいい女がいる」と教えられ、スロバキアのとある町のホステルへと移動。ところが、セクシーな美女たちと官能的な夜をすごした翌日、なんの伝言もなくアイスランド人だけが姿を消していた。


一体なぜ?


残されたふたりが、その理由を知るまでにそう長い時間はかからなかった…。


お気楽な青春セックスムービーから急転直下、得体のしれぬ「地獄」へと突き落とされていく展開のなかで、主人公同様、観客もまた「この町で一体なにが起きているのか?」という好奇心のアンテナを刺激される。


さて、その「地獄」だが——


——ネタバレは避けよう。ただ、ビジュアル的なショックもさることながら、「地獄」の真相、その末期的な世界にア然とさせられることは間違いない。妙なリアリティに舌打ちをしたくなるほどである。


同時に、ゴリ押しのスプラッタ映像によってもたらされる不快感とは一線を画す、キリキリと心臓を締め上げるような心的恐怖と嫌悪感を味わわされる。


ただし、「地獄」の被害者が、女と「ヤル」ことしか頭にない放蕩者ゆえ、観客の視点としては、彼らに100%同情を寄せきれないきらいがある(痛みと恐怖は十分に共感できるが)。


また、気になる「地獄」について、最後までその詳細(管理者は? ルールは? 目的は? 金額は?)がつまびらかにされない点に、少なからぬフラストレーションを感じるのも事実。すべてを知りたいという観客の欲求は、大いにじらされ、おあずけをくらう。


あるいは、あえて事の全貌を明らかにしないことで、ミステリアスな気分を高め、観客にあらゆる推測を促し、ダレもが覚えるであろう“戦慄”を増幅させよう、という狙いがあるのかもしれないが。


人間にとって一番怖いものはなんだろう?


そのシンプルな疑問に、


「それは人間ですよ」と、


ニヒルに答える映画「ホステル」。


“着眼点”を除いて映画的な目新しさはほとんど見当たらないものの、王道のホラー手法を大上段に構えたストレートな演出は、物語に安定感を与えるという意味において、むしろ本作の長所と考えるべきなのかもしれない(音楽はあまりに古すぎ?)。


骨子となる衝撃的な主題を掘り下げることで、より社会告発性の高いホラー作品へと大化けするポテンシャルを秘めているだけに、早くも製作が決定している「ホステル Part2」の内容が非常に気になるところである。


それにしても、痛い。痛くて、吐き気がするほどおぞましい。


キーワードはふたつ。


拷問、そして、ビジネス。


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