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「スネーク・フライト」

2006.10.3

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10月21日より公開される「スネーク・フライト」の試写。


監督:デイヴィッド・R・エリス 脚本:ジョン・へファーナン、セバスチャン・グチエレス 製作:ゲイリー・レヴィンソン、ドン・グレンジャー 出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス、ボビー・カンナバル、フレックス・アレクサンダー、トッド・ルイーソ、サニー・メイブリー、キーナン・トンプソン 上映時間:1時間47分 配給:2006米/ムービーアイ


“パニックアクション超大作”——とは宣伝文句。


ある殺人の目撃者を暗殺しようと、犯罪者組織が目撃者が乗る飛行機に数千匹の毒ヘビを放った! 毒ヘビは容赦なく乗客に襲いかかり、機内はパニックに。操縦士も毒ヘビの餌食となり、このままでは飛行機も墜落してしまう…。目撃者と共に乗り合わせていたフリン捜査官(サミュエル・L・ジャクソン)および乗客乗員は、果たしてこの危機的な状況を打開できるのだろうか?


荒唐無稽もここまでくれば、ひとつの曲芸か、はたまた……。


フェロモンを吸わされて興奮したヘビたちが、あちらこちらをはいずり回り、機内はあっという間に地獄絵図。目玉にくいついたり、口のなかに飛び込んだり、男性器に食いついたりと、そりゃもうやりたい放題!


しかも飛行機の電気系、そして機長と副機長も毒ヘビの餌食に。おまけに乱気流に巻き込まれる…。“墜落”と“毒ヘビ”という恐怖のダブルパンチに見舞われ、まさしく絶対絶命の状態となる。


機上を舞台にしたパニックアクションは数あれど、さすがに猛獣を共演させた作品はあるまい(笑)。


なにはともあれ、サミュエル・L・ジャクソン扮するフリン捜査官が頼もしい。勇敢で、的確で、沈着冷静。


どれだけ絶体絶命の状況に追い込まれても、彼がいるだけで、希望という扉が見えてくる。それは、常に可能性がゼロになるまで諦めない彼の姿勢が生み出す、ある種の“神通力”と言うべきものなのだろう。


一方、毒ヘビたちの傍若無人たる殺戮の数々は、はじめこそ新鮮かつ痛快なインパクトを与えてくれるものの、屍が増えていくにしたがって、少しずつ観る側の昂揚感とモチベーションを奪い取っていく…。


その最大の要因は、この作品が、より多彩な殺戮バリエーションを見せることに固執し、えじきとなるひとつひとつの人命をあまりに軽視しすぎているからだろう。


よしんば「パニックアクション=大勢の人が死ぬ」がお約束だとしても、ダメモトで機上における急場しのぎの応急措置作戦を展開するとか、解毒法を聞き出すために機上から犯人一味との交渉劇をくり広げるとか……、人命救助に対する意気(=人間ドラマ)を、もっと真摯に描くべきではなかっただろうか。


そこから相乗的に派生するスリルやサスペンスもあるだろうに。


そういう意味では、毒ヘビにやられた子供を救うために、ひとりの女性が、傷口周辺をむりやり切開したうえで、オリーブオイルを含んだ口で毒を吸い出そうと苦闘するシーンは——唯一とはいえ——手に汗握るリアルで見ごたえのある人間ドラマだったように思う。


予想していた感動や感傷の代りに残ったものはといえば、ニョロニョロと動き回る毒ヘビたちと、ぐらんぐらんと揺れる機体が奏でる、どうにもあと味の悪いハーモニーのみ。


さらに言うならば、人ひとりを殺すのに、よもやこれほど手の込んだ手口を使う犯罪組織があろうはずもない。むしろ、国際テロ組織による“毒ヘビ・テロ”的な設定にしたほうが、リアリティも見ごたえもドラマ性もグっと増したと思うのだが、いかがだろうか?


あるいは、リアルもドラマも抜きにして、B級なおバカっぷりをとことん楽しむべきか……。


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