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No.11「世界で一番パパが好き!」

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 銀幕をさまよう名言集!  No.11  2008. 2. 29発行 

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2004年/アメリカ 「世界で一番パパが好き!」より


笑いあり、涙ありの、パパと娘の絆の物語。


7歳の女の子ガーティのママは、
彼女を出産したときに、息を引き取ってしまった。
ガーディのパパは、ママが亡くなった直後に、
仕事(広告宣伝マン)で大失態を演じてしまい、
職を追われてしまった。


故郷で祖父の仕事を手伝いながら
7年間、ガーディを育ててきたパパだったが、
ひそかに広告宣伝マンへの復帰を望んでいた。


そんなある日、パパとガーディはケンカをする。
ガーディの学芸会の日に、
パパが会社面接を入れてしまったのだ。


売り言葉に買い言葉。
ガーディは金切り声を上げる。


     「パパなんてもう好きじゃない!」


     「パパが死ねばよかった!」


次の瞬間、パパも声を荒げた——


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      お前とママがパパの人生を奪ったんだ!      
            

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せつないシーンである。


人間は、思わず言ってはいけないことを
言ってしまうことがある。
とくに怒りで我を忘れたときに。


      お前とママがパパの人生を奪ったんだ!


娘のガーディは、ママではなく、パパが死ねばよかったと言い、
一方のパパは、ママとガーディが自分の人生を狂わせたと言う。
どちらも残酷な言葉である。


ただ、こうした言葉は“絶対悪”なのだろうか?


先ほど「人間は、思わず言ってはいけないことを
言ってしまうことがある」と書いたが、
それは本当に「言ってはいけないこと」なのだろうか?


ある人に対する思いの99.8%が「愛」であっても、
残りの0.2%が「憎悪」であることは、十分に考えられる。
複雑で摩訶不思議で計り知れない。それが人間だ。


娘とパパが放った辛辣な言葉にしても、
怒りまかせの“デマカセ”ではなく、
実は、心の奥底でくすぶっていた確たる思いだったのだろう。
それが思わず出てしまったにすぎない。


そういう意味では、感情を激しくぶつけ合うケンカというのは、
ふだんは気が付かない、
相手の見えざる気持ちを知る貴重な機会なのかもしれない。
もちろん、瞬間的には、
自分も相手も傷つくことがほとんどだろうが、
そこから何かを学び取ることができれば、
両者の絆は、それまで以上に強まる可能性を秘めている。


      お前とママがパパの人生を奪ったんだ! 


字ヅラだけを追えば、
言ってはいけないひと言のようだが、
“ママの死”という過去に縛られ続けてきたふたりにとっては、
一度はぶつけ合う必要のあった、
ちょっぴりハードな心のキャッチボールだったのではないだろうか。


事実、相手のホンネとも言える気持ちの一端を知ったパパとガーディは、
以前よりも、相手の気持ちを慮るようになり、
また、自分の人生に対する視野も広がった。


感情を抑え、我慢することだけが、人間関係の美徳ではない。
とくに自分にとって大切な人の前では。


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●編集後記             
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「世界で一番パパが好き!」という作品は、
やや下ネタ&内輪ネタが多い点を差し引けば、
シングル・パパと娘のあいだで揺れ動く、
愛や信頼や絆をてらいなく描いた良作です。
夢と現実の板挟みにあいながらも、
最後には自分にとって一番大事なものを選び取るパパの姿に、
思わず胸を打たれます。
小さな娘さんをもつお父さんには、とくにオススメです!


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■銀幕をさまよう名言集! No. 11「世界で一番パパが好き!」
 
マガジンID:0000255028
発行者  :山口拓朗

●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/


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