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No.8「スクール・オブ・ロック」

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 銀幕をさまよう名言集!  No.8  2008. 2.10発行 

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2003年/アメリカ 「スクール・オブ・ロック」より


ジャック・ブラック扮するニセ教師が、
名門私立小学校の生徒たちと
ロックを通じて交流を深めていく物語。
ミュージシャンでもあるジャック・ブラックの
ぶっ飛んだ怪演が見どころのスクール・コメディだ。


金を稼ぐためにもぐりこんだ小学校で、
決められた授業のカリキュラムをこなす気0%のニセ教師が、
子供たちにロックスピリットを注入していくサマが痛快だ。


     「オレのありがたい教えを聞きたいか?」


と言うや、生徒たちに持論をまくしたてる。


     「夢はあきらめろ!
      なぜならこの世界では絶対に勝てないから。
      努力したって、結局はその分、痛い目を見るだけだ。
      なぜなら世界は大物が仕切ってるからだ。
      大物はどこにでもいるぞ、ホワイトハウスにもいるし、
      校長先生もそうだ。
      大物は、オゾン層を破壊し、熱帯雨林を燃やして、
      シャチを誘拐して塩素のプールにつけるヤツらだ!」


だが、とニセ教師は言う。


     「昔は反抗する手段があった。
      それがロックだ!」


そして——


     「だけど今は、残念ながら……
      それも大物が破壊した——


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      MTVっていう野郎が!                  


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MTVといえば、80〜90年代にかけて、
ロックをはじめとしたポピュラー音楽の
マーケットを牛耳っていたビッグプロモーターであり、
アメリカの大衆文化に多大な影響力を誇っていた存在だ。


つまり、乱暴な言い方をすれば、
大物に対する反抗の象徴であるロックが、
大物であるMTVに飼いならされていたのである。


      MTVっていう野郎に! 


という言葉は、すなわち、
ロックの存在価値を打ち砕いた現実に対する皮肉と批判である。


正直、ロックの正当性など計れるものではない。
でも、決められた授業のカリキュラムが絶対の正義だと考えて、
そこに何の疑問ももたない(思考停止状態にある)大人たちよりも、
このニセ教師のほうが何十倍も魅力的だ。


事実、それまで親や先生の言うことには絶対服従で、
常に点数や成績のことばかりを気にしていた子供たちが、
そんなニセ教師に、少しずつ気持ちを許していく。


クライマックスでは、
そんな子供たち自身から湧き出たロック(反抗)な叫びが、
ニセ教師と生徒で結成したロックバンドで表現される。
これを“生きた教育”と言わずになんといおう。


ところで、


      MTVっていう野郎が!   


という名言を残したニセ教師役のジャック・ブラックは、
本作で、MTV主催の映画賞「MTVムービー・アウォーズ」(2004年)の
最優秀コメディ・パフォーマンス賞を受賞する。
一般視聴者の投票によるアワードなので他意はないと思うが、
一見すると、MTVからのピリリと辛口な皮肉返しである。


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●編集後記             
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「スクール・オブ・ロック」という作品は、
ハートフルかつお馬鹿なコメディですが、
一方で、骨太なロック精神を感じさせる作品でもあります。
とくに教育現場や学校制度、
あるいは神経症的な親の教育に対する風刺は強烈です。
イギリス映画「小さな恋のメロディ」(1971年)などもそうですが、
権力的でステレオタイプな大人たちの描写には、
子供たちの純粋さを際立てる映画的な装置という枠を越えて、
多分に考えさせられるものがあります。


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■銀幕をさまよう名言集! No.8「スクール・オブ・ロック」
 
マガジンID:0000255028
発行者  :山口拓朗

●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/


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