はやぶさジョーンズ「赤と黒」
2009.6.2

サノヒロアキこと「
もう15年以上、彼の歌を聴き続けているが、今回のアルバムほどシュールでディープな世界観は初めてだ。痛くて、せつなくて、悲しい。何が痛くて、せつなくて、悲しいのかは本人しかわからない。でも、それに類する痛みや、せつなさや、悲しみをぼくらは知っている。不思議なのは、痛いのにあたたかいことだ。せつないのに勇気をもらえることだ。悲しいのに知らず知らずのうちに涙をふいていることだ。どこまでも「<痛み>経由<希望>行き」の列車なのだ、「赤と黒」というアルバムは。フォークでロックでジャジーでサイケなサウンドに彩られた街のなかを、「<痛み>経由<希望>行き」列車は駆け抜ける。
ライブでは、いい意味で肩の力の抜けた自然体のパフォーマンスを堪能した。自虐的なMCの多さには苦笑を禁じ得なかったが、それも含めて、包み隠さずに自分の音楽をやっていこうという彼の決意のようにも受け取れた。空の色が青から灰色、そして、よもや赤や黒に変わったとしても、彼は空を飛ぶ夢を見続けるつもりだろう。
レコ発ライブ@新宿Red Cloth(2月10日)より「ShaLaLa」
部屋をあさったら、15年以上前にサノくんと作ったスプリット盤(テープ)が出てきた。今では相当なプレミアがついているらしい(ウソです)。10年ぶりくらいに聴き直したが、聴くに忍びない私の曲に比べ(本気でひどいな、こりゃ)、サノくんのあふれんばかりの才能に驚かされた。タイトルは「人間」ではなく、「雲泥」あるいは「ピンキリ」とでもすべきだったか。
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