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アスリート張りに脳をキタえよ

2004.12.6


一流スポーツ選手の中には「流動性能力」を鍛えている人が少なくないという。谷亮子は激しい有酸素運動の合間に、暗算をする練習を取り入れているそうだ。前頭前野を鍛えて、咄嗟の判断力を良くしようというのが狙いだという。イチローは小さいころから対向車のナンバーの右2ケタと左2ケタを瞬時にたし算していたという。じっくり答えを導き出すのではなく、「瞬時に」というのがポイントだ。脳はアスリートが鍛えるに値する部位なのだろう。


こうした訓練は、少なからず一般人にも有益だろう。


ハタチ前後で成長が止まってからは、老化の一途をたどるのが人間の宿命だ。カラダも肌も、好奇心でさえ放っておけば少しずつ確実に経年劣化していく。そして脳も。人間に「老い」はつきものだが、20年乗れるクルマであるにもかかわらず、手入れが悪く5年で壊してしまうのは、やはりもったいない。


とくに現代人は思考不足ゆえに、(医学の力で平均寿命こそ延びてはいるものの)脳の老化スピードは増しているものと思われる。これまでは「老化」と書くためには、「ろうか」という平仮名を自分の前頭前野を使って変換作業しなければならなかったが、今ではその作業をコンピュータが代りにやってくれる。その代償がいかなるものかは、あえて言うまい。便利さというのは本当にもろ刃の剣であり、よくも悪くも麻薬的な効果をもたらす。


と、そこまで理解していながらも、そうした麻薬から足を洗うことは難しく、では私が、明日からパソコンをやめて、手書きで原稿を書くかといえば、そんなことはできないし、しようとも思わない。だからこそ、意識的に脳を鍛える必要性について考え始めた次第。いち早くポンコツにならないように。


「流動性能力」や「ナンバー足し算」のよう訓練は、もはやアスリートだけに必要なものではなく、一般人も積極的に取り組むべきものなのかもしれない。


よく「人間は潜在能力の数%しか使ってない」と言われるが、訓練の結果、老化に歯止めをかけるだけでなく、そうした未開発な能力まで引き出せたとしたらこれ幸いなのだが。

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