「歩きタバコ禁止条例」なるものの冒涜
2002.6.26
他人が持つタバコの火に接触して熱い思いをした経験は何度かあるが、シチュエーションは大きく二つに分けられる。一つが「飲み会の席上」。もう一つが「歩きタバコ」による接触である。
どちらのケースも加害者に弁解の余地はないが、さしずめ前者のケースは置いておこう。
問題は後者である。「歩きタバコ」の被害に遭うのは、ラッシュ時の駅前などが多く、「アチッ」と思った瞬間には、すでに加害者が群衆の中に消え去っていることも稀ではない。加害者が気づいて詫びるならまだしも、当の本人が気づいていないのだからタチが悪い。
よしんば加害者を捕まえて交番に連れて行ったとしても、間違ってもお縄ちょうだいにはなるまい。つまり「歩きタバコ」の接触事故に遭った被害者は、泣き寝入りするのが常なのだ。
そんな折、千代田区議会で「歩きタバコ」を禁止する条例案が可決された。この条例は、接触はもちろん、タバコのポイ捨てにもブレーキをかける役割を果すという。今後、都心部を中心に拡大していく可能性を秘めている。
ほっ。これにて一件落着かと思いきや、何だかだかスッキリとしない。この後味の悪さはなんだろう。
理由は簡単だ。「歩きタバコ」にしても「ポイ捨て」にしても、要は「犯罪」というよりも「マナー」と呼べるカテゴリーに属するものであり、果たしてそこまで法律で規制しなければいけない時代が来てしまったのか、という憤りを感じたのである。
混雑時に歩いてタバコを吸えば、他人にどんな迷惑をかけるかは、「想像力」を働かせれば分かることだ。つまり、この条例は「歩きタバコ」と同時に、人間の「想像力」を規制しているのである。
そう考えると、単に、禁煙者バンザーイ、喫煙者負けー、と一喜一憂してるのが恥ずかしくなる。この調子でいけば、「電車内携帯電話禁止についての条例案」が審議されるのも時間の問題だろう。
ところで、「飲み会の席上」でのタバコの火の接触についてだが、この場合は、意外と加害者の故意によることが多いのかもな、と思ったのだが……いかがなものだろうか?
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