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社説さん、よく読んで

2003.2.1


1月27日付けの朝日新聞朝刊の社説は、見出しが「安倍さん、よく読んで」。


扇動的な題名に多少の違和感を感じながら読んだ。


安倍晋三官房副長官は、講演のなかで朝日新聞の社説を取り上げ、「そのような論調(朝日新聞の記事か社説)が、北朝鮮の拉致問題をめぐる交渉の障害になっている」と批判したそうである。今回の社説はその安倍氏の発言に対する反論。


社説は安倍氏に真意のほどをただすと同時に、再度、朝日新聞の主張を述べている。


「イラクにせよ北朝鮮にせよ、憎悪と力で押すだけでは解決にならない」「9.11後の米国が危うい高ぶりに包まれたように、拉致事件への悲惨な展開によって吹き出した北朝鮮への憎悪をひたすらあおる風潮は危険」


「アメとムチ」の必要性を訴える朝日新聞の姿勢は、評価すべきものかも知れない。しかし、ここで問題にしたいのは拉致問題のうんぬんではない。


名のある大新聞が特定の人物を揶揄・攻撃するかのような、恣意的な社説を書くべきだろうか、ということだ。ことの経緯はどうあれ、阿部氏の名前を出さずとも同様の主張はできたはずである。


安倍氏に対し、「批判は大いに歓迎だが、誤解や曲解によるものなら迷惑」と社説は断じているが、そもそも官房副長官の発言が何ゆえ「批判」でなく、「誤解」や「曲解」なのかが文面からは十分に伝わってこない。しかも見出しが「安倍さん、よく読んで」とは、あまりに稚拙すぎはしないか。


下世話な野党の真似事が、「正義」を掲げる新聞の果たす使命だとは到底思えない。それが、一議員の講演レベルの発言を全国紙面上でやり込めるというやり方であれば、なおさらアンフェアな印象は否めまい。


マスコミがときとして手のつけられない権力者(暴君)になりうることは、「メディアスクラム(集団的過熱取材)」の例を一つとっても自明の理。言葉が暴力になりうることも然りだ。


マスコミを代表する大新聞ともなれば、その責任はなおさら重大である。

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