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人間サビルベカラズ

2004.8.30


「酸化」という言葉は、小学校のころに習う言葉だろうか。人間も「酸化」し続けていることは、最近はかなり知られるようになってきた。人間が食べ物を食べ、それを消費することも酸化作用の一つ。人間は死というゴールを目指しながら自分のエネルギーを消費し、「酸化」し続けている。


老いも「酸化」(錆び)ならば、病気も「酸化」(錆びの蓄積)であることは、おそらくは現代医学ではある程度の常識だろう。そして、その「酸化」を引き起こす大きな要因の一つが「活性酸素」であることもまた。単純な言い方をすれば、人間が生涯健康で過ごすためには体内に「活性酸素」をためないことが何よりも重要である。


現代の生活には「活性酸素」を過剰に放出させる危険因子がそこら中にちりばめられている。水と食べ物の汚染はとくに見逃せないが、そのほかにも空気やストレス……等々、気をつけなければスペシャルな活性酸素人間になってしまう。勝手に活性酸素人間になるのはいいが、病気で長患いする人が増えるようでは困る。


30〜50代という人生の隆盛期を親の看護に明け暮れ、看護が終わったら今度は自分が看護される側に回るなんてまっぴらだ。もちろん、現在、看護中の人や闘病中の人を批判している訳ではない。そうならないための関心と努力を国民全員がもっと払うべきだと思うのだ。「自分の人生太く短くだから大きなお世話だ!」と言い切れる人は、自分が病気になったときに、どれだけ周りの人に迷惑をかけるかを想像してみるといい。


もともと人間は自然治癒能力を備えている。生活環境に変化に順応する資質も持ち合わせている。しかし、食べ物から、呼吸から、精神から、これだけ多くの害がいともたやすく体内に侵入してくる環境で過ごす経験を、人間はかつて一度も経験したことがないことだけは知っておくべきであろう。


日本はこれから未曾有の高齢化社会に突入するが、現状、長寿国万歳(!)と喜んでいる場合ではない。医療費がかさめば、それを支える若年層にも疲労と焦燥が蔓延し、精神的だけではなく、財政的にも文化的も日本という国もやせ細っていくことは目に見えている。80、90歳を過ぎても明るくピンピン生きている人がたくさんいれば、国の色つやも良くなりそうなものだ。


残念ながら死については「プログラム説(人間の死ぬ時期はあらかじめプログラムされている)」というのもあるようだが、少なくとも「酸化」の蓄積を抑えることができれば、医療におんぶに抱っこという延命仕様の長寿国から脱却できる可能性は大いにある。


闘病するならば、死ぬ直前のせいぜい10日くらいしたいものだ。闘病人が増えるということは看病人が増えるということ。どちらの生活も決して楽ではなく、人生という大事な時間を奪われてしまう。それはあまりにもったいないことだと思う。

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