創刊号「マリア」
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銀幕をさまよう名言集! 創刊号 2008.1.1発行
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はじめまして。発行人の山口拓朗です。
これまでに見た映画のなかから、
印象深い言葉やセリフを取り上げて、
人間の奥深さや、人生の機微に迫りたいと思います。
よろしくお願いします。
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2007年公開 「マリア」より
マリアの処女懐胎からキリストの生誕までを描いた作品。
淡々とした物語だが、歴史考証にすぐれた場面描写が興味深い。
「クリスマスって何だっけ?」と思ったときに見ておきたい1本だ。
マリアの口から処女懐胎の告白を受け、衝撃を受ける婚約者のヨセフ。
にわかには信じがたいマリアの告白に対して、
怒りをかみ殺すようにヨセフが言う——
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ぼくは恥を知る者でありたい
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ぼくはそうありたいが、マリア、おまえは恥さらし者だ。
ヨセフは、暗にそう言っている。
ただ、直接的な言葉でそう言わなかったことに、
重要な意味がある。
処女懐胎などという告白は、通常、真に受けることはできない話であり、
凡人であれば、即座に、「この恥知らずめが!」と相手を罵倒するだろう。
だが、ヨセフは怒りを押し殺して、
あえて自分の気持ちを伝えるにとどまった。
そうすることで(マリアを直接罵倒しないことで)、
こみ上げる怒りをなんとかして希釈しようとしたのだろう。
そこには、その場の感情に流されない冷静さと同時に、
できることならマリアの告白を信じてあげたい、という
ヨセフの誠実な人柄が表れている。
あるいは、マリアにたとえ不貞があったとしても、
自分が選んだ婚約者を傷つけまいとする優しさが感じられる。
ぼくは恥を知る者でありたい
ヨセフがもっとも取り乱しているこのシーンに、
ヨセフの人格の高さを表すセリフが挟まれているのだ。
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●編集後記
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
映画の言葉(セリフ)に、感激したり、感銘を受けたり、
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■銀幕をさまよう名言集! 創刊号「マリア」
マガジンID:0000255028
発行者 :山口拓朗
●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/
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