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No.13「ウェルカム・バクスター」

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 銀幕をさまよう名言集!  No.13  2008.3.12発行 
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1998年/アメリカ 「ウェルカム・バクスター」より
バクスターという田舎町には、
個性的な若者たちが暮らしている。
その町にたまたまやってきた女優志望のスカイ。
彼女は、はじめバクスターを嫌がっていたが、
しだいに地元の若者たちに溶け込んでいく……。
ほのぼのとした田舎町に生まれた、
小さな友情と青春の物語だ。
ほのぼのとしているのだが、序盤に、
映画的なオモシロさがひとつポーンと与えられる。
うさん臭いコーラ会社のトラックが事故を起こし、
企業秘密であるコーラーの成分がバラまかれたのだ。
もしかしたら、その成分が町の住人を汚染しているかもしれないという……。
若者たちに突如、「死」という恐怖が突き付けられる。
事故翌日の夜、
若者たちのたまり場で、
スカイが言った——
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      じゃあ、もし明日死ぬとして……、最後の夜に何をしたい?             
   
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いかにも若者同士がぶつけ合いそうな質問だ。
ただ、彼らはただの若者ではなく、
体が汚染されていて、本当に明日死ぬかもしれない身だ。
つまり、スカイのクエスチョンは、
単なる興味の範疇を超え、ちょっぴりリアルなのである。
ところが仲間たちは、
まともな答えを言えない(言わない?)。
ある者は「考えたこともないし、考えたくもない」と言い、
ある者は「さあ?」と首をひねる。
すると、スカイはしびれを切らしたかのように、
みずから行動に出る。
好意を寄せていたひとりの男子に口づけたのだ。
それを見ていたほかの者たちも、
恋人、あるいは、好意を寄せていた者同士で、キスを始める。
スカイの行動に、何かを気付かされたかのように。
このシーンに教えられるものは少なくない。
人はいつ死ぬか分からない。
スカイの言うように明日死ぬことも、稀にだが、ある。
だが、多くの人は、その現実に気付かず(目を背け?)、
まるでこの命が永遠に続くかのように日々をすごす。
本当に明日自分が死ぬと分かっていたら、
果たしてどうするだろうか?
最後の夜に何をするだろうか?
その答えは、
この命が永遠に続くかのように日々をすごしている私たちに
簡単に出せるものではないだろう。
ただ、やにはにキスを始めたスカイを見て、
なぜか、腑に落ちてしまった。
納得してしまった。
「けっ、この青春映画が!」と思うこともなく。
おそらく、そこに何かしらのシンパシーを感じたのだろう。
もちろん、スカイが投じた質問に対する答えは、
人それぞれだろうし、
模範解答があるはずもない。
でももし、
      じゃあ、もし明日死ぬとして……、最後の夜に何をしたい?    
そんなクエスチョンを自分に持ち続けながら
毎日をすごすことができたら、
人生はもっと実りあるものになるのかもしれない。
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●編集後記             
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キスをしあう若者たちを見ながら、
もうひとつ思ったことは、
明日死ぬと分かっていれば、人間は何でもできる、とうことです。
あたり前なことなのかもしれませんが、
それがふだんから実践できている人は、
おそらくひと握りの人たちだけなのでしょう。
さらにもうひとつ挙げるなら、
明日死ぬと分かっていれば、
人は、悩むことも、憎むことも、争うことも、
きっとしないのではないだろうか、ということです。
なぜなら、それらは「死」の恐怖を超越するものになり得ないから。
そして、きっと「死」の恐怖を超越するものは、
自分の心を幸福感で満たすことであり、
ゆえに行き着くところは、
「愛」ということになるのかもしれません。
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■銀幕をさまよう名言集! No.13「ウェルカム・バクスター」
 
マガジンID:0000255028
発行者  :山口拓朗
●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/
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