詩人の佐々木幹郎/時評「歌 句 詩」
2004.6.27
携帯電話でメールを受け取ると、すぐに返信する。インターネットのチャットや掲示板に書き込んで、匿名の誰かから反応があると、すぐに答える。そういう人たちを見ていると、言葉を通して考える時間、言葉を受け止めて沈黙する時間があまりにも少ないことに驚く。そんなに今という時間が惜しいのか。いや、そこには今などない。外界への反応だけがある。しかし情報機器の発達は、そのような懐疑を置き去りにする。わたしたちは気づかないうちに言葉を通して考える時間、沈黙する時間を失いつつあるようだ。
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