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作家の水村美苗、青山学院女子短大教授の栗坪良樹/活字文化公開講座in青山学院大学

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2004.11.23
【水村】
アメリカから戻って日本に落ち着いたのは、一九九〇年ごろである。私は驚いた。日本語そのものが変わってしまったのである。私が知っていた日本語は消え、その代わりに、過去とのつながりもなければ、現在を捉えようという意志にも欠ける悲しい薄っぺらい日本語が氾濫していた。それは日本語ではなく「ニホンゴ」であった。
※ ※ ※ ※ ※
だが何よりも重要なのは、読者が日本語にもっと多くを望むことである。「ニホンゴ」で書かれた本が氾濫する中で孤立した精神をもち、もっと深いもの、高いもの、真に面白い日本語から望むことである。


【栗坪】
内容が難解で文体がちょっと合わないとなると、たとえ日本を代表する文豪の作品であっても、捨ててしまうという時代を私たちは形成しつつある。あっという間に消費されてなくなる言葉ばかりが出回り、何かを形づくる言葉が後へと送られている。

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