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伝わる文章の書き方/呼び名の選び方

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もしも、あなたに奥さんがいたとします。
ブログの記事で、その奥さんについて書くことになりました。
そのとき「奥さん」の呼び名をなんと書きますか?
「奥さん」という言葉は、本来、他人の妻を敬う言い方です。
したがって「私の奥さんが~」と書くの正しいとはいえません(近年、身内でも「奥さん」と呼ぶ人が増殖中ですが……)。
じつは「奥さん」に代る選択肢は意外に多くあります。
妻、女房、家内、カミさん、つれ、かあちゃん、おっかー、かかあ、細君(妻君)、ヨメ(嫁)、ワイフ、ハニー、パートナー、ママ、ベターハーフ、ウチの
さて、どれを選びましょう(笑)。
模範解答はありません。
どれを選ぶかは、「どのような読者を想定した記事なのか」にもよります。
また「エピソードの内容(シリアスなorユーモアなど)」にもよります。
さらに言えば「書き手自身が読者にどう思われたいか」にもよります。
「家内」と書いて「まじめそうな人」と思われるよりも、「ハニ~」と書いて「楽しそうな人」と思われたいという人もいるでしょう。
「おっかー」「かかあ」「かあちゃん」あたりは、年配の方には使いやすいかもしれません。
「泥酔して帰ったら、かあちゃんにしこたま怒られてさあ~」
という文章には、かあちゃんの尻に敷かれている夫の滑稽さがにじみ出ています。
自虐的な笑いネタとしては悪くありません。
「ワイフ」や「ハニー」を使うのは、骨の髄まで欧米感覚の人か、おちゃらけ狙いかのどちらかでしょう。
「うちのワイフとドライブに出かけたんだけどさ~」
なるほど。
愛している感じは、日本語よりあるかもしれません。
「細君(妻君)」が使われることは……古い文芸書などを除けば、ほとんどないような気がします。
「うちの細君にも手伝わせたが~」
お堅いうえに、時代劇がかった印象を受けます。
「ヨメ(嫁)」は、砕けた記事には使えるかもしれません。
ただし「ヨメ」も、本来、他人の妻に用いる言葉です。
ヘタをすると、そのヨメに「ひとのことをヨメ呼ばわりするな!」と怒鳴られる可能性があります。
「おっかー」「かかあ」「かあちゃん」も同様に、「私はあんたのかあちゃんじゃないよ!」と一喝されるかもしれません(場合によっては「晩酌抜きの刑」を言い渡されることも?)。
「ママ」は使い方を間違えると、痛い目にあうでしょう。
使うときは、子供が登場する場面に限定したほうがいいような気がします。
ダンナである書き手自身の視点で、パートナーのことを「ママ」と書くと、マザコン風なイメージでとらえられかねません(それでOKな人もいると思いますが…)。
無難なのは、やはり「妻」「家内」「カミさん」あたりでしょうか。
とくに「妻」は、使うほうも使われるほうも、さらには読者も許容・納得できる呼び名かと思います。
「家内」は「妻」よりも、ややお堅い印象を与えます。
逆に「カミさん」は「妻」よりも、やや砕けた印象を与えます。
「女房」というのもありますが、これは表現がやや古くさいでしょうか。
あとは「つれ」「パートナー」「ベターハーフ」「ウチの」などですが……解説がめんどうになってきたので、割愛させていただきます(笑)
と、好き勝手に書きましたが、結局のところ、どの呼び名を選ぶかは書き手の自由です。
読者は、書き手が選んだ言葉から、書き手の人柄や人間性、あるいは文章センスを判断します。
今回とりあげたのは、たまたま「奥さん」でしたが、だれの(どんな)呼び名であっても基本は同じです。
シチュエーションに応じて、上手に使い分けるようにしましょう。
くり返しになりますが、呼び名を選ぶときのポイントは以下の3点です。
❶どのような読者を想定した記事なのか
❷エピソードの内容(シリアスなorユーモアなど)
❸書き手自身が読者にどう思われたいか
※・※・※・※・※・※・※・※・※・※・※・※・※・※・※
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