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作家の島田雅彦/「HONライン倶楽部」

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2004.9.26
数の上では決して多くはない私の読者へ。国家に国民がいるように、作家には読者がついている。村上春樹をアメリカとすれば、私はフィンランドか、チェコにたとえられようか。決して、基軸にはなれないが、グローバリズムのあおりを食って沈下しないだけの経済的基盤と文化的魅力を持った小国を目指しているつもりである。これまで私は退屈を恐れ、リスクを犯したがる気質のせいか、フライングを繰り返してきた気がする。オリンピックなら失格だが、文学では一周遅れもいきなりトップランナーになれる世界だから、問題はない。

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