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No.34「フリーダム・ライターズ」

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 銀幕をさまよう名言集!  No.34  2008.9.29発行 
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2007年/アメリカ 「フリーダム・ライターズ」より
主人公の新米女教師エリンが、
落ちこぼれ学生たちを更生させる物語。
と書けば、ありがちな学園ドラマのようだが、
作品の舞台は、
人種間闘争が激しさを増した94年のロサンゼルス。
いわゆる「ロス暴動」の2年後だ。
生徒ひとりひとりが抱える問題は、
家庭環境や社会背景と密接に関わっており、
どこかの国の学級崩壊とは
また違った根深さがある。
差別や誤解が、次々と争いを生む。
街にはギャングがはびこり、
銃声を聞くのも日常茶飯事だ。
一歩学校の外に出ると、
「死ぬか生きるか」の修羅場が待ち受けている彼らにとって、
勉強をすることなど、どうでもいいこと。
そもそもハイスクールを卒業できるとは、
誰も思ってないのだ。
だが、新米女教師エリンは、
彼らの言葉に耳を傾けることで、
少しずつ彼らの心を開いていく。
白人、黒人、アジア人、メキシカン、アラブ人……、
あらゆる人種が入り乱れるクラス内に
徐々に仲間意識が芽生え始める。
ある日、エリンと生徒たちは、
同世代が書いた「アンネの日記」に感銘を受け、
アンネをかくまっていた老女ミープ・ヒースを
学校に招こうと思いつく。
そして、マスコミを巻き込んで目標を実現させた。
ミープの体験談に熱心に耳を傾けていた生徒のひとりが、
手を挙げて発言する。
     「感動しました。あなたは私のヒーローです」
と。
ところがミープは、大きくかぶりを振る。
     「それは違うは、私はヒーローじゃない。
      やるべきことをやっただけよ。
      正しいことだから。
      それだけ。
      私たちはみんな普通の人間よ」
「でも……」と、
ミープは言葉を続けた——
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     「会社の秘書でも、
      家庭の主婦でも、
      10代の若者でも、
      それなりのささやかな力で、
      希望の光をともせるの。
      暗い世界にね」
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やるべきことをやることに、
あるいは、正しいことをやることに、
有名も無名も、
子供も大人も、
お金持ちも貧乏も、
社会的な地位も、
まったく関係ない。
ミープはそう言いたかったのだろう。
事実、アンネをかくまったミープは、
どれだけ特別な人だっただろうか?
おそらく、彼女の言うところによる
“普通の人間”ではなかっただろうか。
だが、彼女は重要な局面において、
自分が「正しい」と信じる道を選択をした。
そうした選択をすることが、
どれだけ難しいことかを、
私たちの多くは知っている。
けど一方で、
正しい選択ができない原因が、
自分の勇気のなさであることにも、
うすうす気づいている。
その勇気のなさを隠すために、
ときとして、できない理由を、
自分以外のせいにしていることも。
人間は、臆病で、弱く、日和見だ。
でも、だ。
自分が「正しい」と信じる道を選択することで、
何かが変わるかもしれない。
自分に、周りに、社会に、
小さな変化が起きるかもしれない。
せめて、その可能性だけは0%にはしたくない。
人間である限り。
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●編集後記             
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原作は、実在の教師エリンと生徒たちが執筆した
ベストセラーの同名作品「フリーダム・ライターズ」。
主演はオスカーを2度獲得しているヒラリー・スワンクです。
学園もののサクセスストーリーですが、
主人公のエリンは、
教育に熱心になりすぎるあまり、
ご主人と離婚するハメになります。
大勢の生徒とコミュニケーションを図れる彼女が、
最愛のダンナとうまくコミュニケーションが図れない……。
そのあたりの描写に、
一筋縄ではいかない人間の複雑さが見られます。
<多くの遠くの人に愛される人は、
近くの人には憎まれる>
そんな言葉を聞いたことがありますが、
世の中には、そういうことも、
往々にしてあるのかもしれません。
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■銀幕をさまよう名言集! No.34「フリーダム・ライターズ」
マガジンID:0000255028
発行者  :山口拓朗
●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/
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