No.50「ルイスと未来泥棒」

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　銀幕をさまよう名言集！　　No.50　　2009.6.24発行　
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2007年／アメリカ　「ルイスと未来泥棒」より
ウィリアム・ジョイスの絵本
「ロビンソン一家のゆかいな一日」を映画化した
ディズニーの3DCGアニメ。
養護施設で育った主人公の少年ルイスは、
発明家を夢見て、
日夜発明に明け暮れていた。
ところが、何を作っても失敗ばかり。
満を持して作ったはずの
「記憶を呼び戻すマシン」も、
科学フェアの会場で突然故障。
ルイスはいよいよ意気消沈してしまう……。
ひょんなことから
未来にタイムトラベルしたルイスは、
あたたかい大家族のロビンソン一家と出会う。
あるとき、
ロビンソン一家と食事をしていると、
ピーナッツバターをパンに塗る機械が故障。
ルイスが修理を試みるも、
結果は……失敗に終わる。
ルイスは慌てて謝る。
　　　　　「ああ、どうしよう計算間違いだ。
　　　　　　ごめんなさい、本当にごめんなさい！」
すると、ロビンソン一家から
明るい声がルイスに飛んできた――
　　ある者は「しくじった！」
　　ある者は「見事なものだった！」
　　ある者は「すばらしかった！」
　　ある者は「最高だよ！」
　　ある者は「あーら、（失敗なんて）たいしたことないわよ！」
別に嫌みで言っているわけではなく、
彼らは本当に、
ルイスの失敗を喜び、
歓迎しているのである。
そして、誰かが最後にこう言った――
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　　　　　　「人は失敗から学ぶの。
　　　　　　　成功からは学べない」
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呆気にとられながらも、
ルイスはその言葉に感激していた。
この顛末のあと、
ルイスとロビンソン一家は乾杯した。
　　　　　　「ルイスのすばらしい失敗に！」
　　　　　　「これが将来の成功につながるように！」
と、口々にルイスの失敗を讃えながら。
完璧な人間などひとりもいないし、
どんな分野のどんな一流だって、
はじめは素人。
たくさんの失敗をしてきたはずだ。
問題は失敗をしたかどうかではなく、
その失敗をどう受け止め、
どう次に生かすかである。
「失敗は成功の母」と理解したうえで。
これは生きていくうえにおいて、
とても大事なことだ。
子供のうちに失敗慣れしていない子は、
大人になってから、
挫折に見舞われやすい。
そんなことも言えるのかもしれない。
失敗に対する免疫がないために。
それくらい失敗は大切なものなのに、
日本を含めた今の社会では、
どこか「失敗＝いけないもの」
という不文律があるように思えてならない。
そして、他者の失敗に不寛容なところがある。
すべてを完璧にこなさなければ、
この社会で生き残ることはできない！
――それは本当だろうか？
失敗のない人間こそが、
価値ある人間である！
――それは本当だろうか？
答えはNOだろう。
ロビンソン一家の
ルイスに対する励まし、
つまり、
　　　　　　「人は失敗から学ぶの。
　　　　　　　成功からは学べない」
の精神は、
失敗することの尊さ、
ひいては挑戦し続けることの尊さを
私たちに教えてくれる。
失敗を恥じるな。
失敗を軽蔑するな。
失敗を愛そう。
失敗は成功の母。
安全なレールの上を歩くことが
正しいと教育されてきた（今もなお教育されている）
私たちに、そう教えてくれる。
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●編集後記　　　　　　　　　　　　　
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今号で「銀幕をさまよう名言集！」も50号を
迎えました（いえ～い♪）
ご愛読いただいている皆様には、
心より、本当に心より、感謝しております！
ロビンソン一家の言葉に絡めるわけではないですが、
物事は、失敗しても、
本当に好きならば、
諦めないことが大事だと思います。
そしてまた、挑戦し続けている限り、
本当の意味での失敗というのは、
ないのだと思います。
改めて「銀幕をさまよう名言集！」の
バックナンバーを読み返してみると、
失敗らしきものもたくさんあります。
激しい思い込みや、
的の外しっぷり、
独りよがりっぷり……などなど。
記事をそのままダンプに積んで、
ゴミ焼却場まで運んでしまいたいものもあります。
しかしまあ、
そういう“不出来な自分”もまた、
今の自分の礎になっているかと思うと、
それはそれで親しみを感じたりもします。
「ルイスと未来泥棒」にならって、
　　　　　　「人は失敗から学の
　　　　　　　成功からは学べない」
の精神を持ち続けながら、
これからも、
思ったこと、感じたこと、伝えたいことを
臆することなく、
書いていきたいと思います。
とりあえずは、
目指せ100号！　でしょうか？
今後ともよろしくお付き合いください★
「ルイスと未来泥棒」の作品批評はコチラ
http://yamaguchi-takuro.com/100/115/post_176.html
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■銀幕をさまよう名言集！　No.50「ルイスと未来泥棒」
マガジンID：0000255028
発行者　　：山口拓朗
●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」
http://yamaguchi-takuro.com/
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