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伝わる文章の書き方/具体的な文章の書き方

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文章で「思い」や「情報」を伝えるときに、具体的に書くことはとても大切です。
たとえば、次のような文章を書くとします。
結局のところ、人類を救うのは愛だと思います。
読者は「なるほどいいこと書くなあ」と思うかもしれません。
しかし、心に響くほどではない気がします(注:前後の文脈は無視しています)。
なぜ心に響かないかというと、「愛」という言葉が抽象的すぎるからです。
漠然としすぎていて、具体例が示されていません。
人類を救う「愛」とは、一体どういうものでしょうか?
単に「優しい」という意味なのか、あるいは逆に「厳しさ」という意味なのか?
「自己愛」を愛という人もいれば、「自己犠牲」が愛という人もいるでしょう。
残念ながら、この抽象的な文面だけでは、「思い」の30%も伝えることはできていません。
具体的な文章を書くことに慣れていない方のために、今回は<抽象>を<具体>に変換する簡単なやり方をお教えしましょう。
それは、以下のような接続詞を使うことです。
【例示の接続詞】…例を示す。具体例を挙げる。
例:たとえば、いわば 
【理由の接続詞】…詳しい説明をする。
例:なぜなら、というのは
【換言の接続詞】…詳しい説明をする。言い換えてまとめる。
例:つまり、すなわち、ようするに
今回の記事の冒頭を読み返してください。
2段落目で、私はさっそく「たとえば」を使っています。
それは具体例を示すことで、話をより分かりやすく伝えたいという狙いがあるからです。
もし「私は犬よりも猫が好きです」と書く場合、そこで文章を終わらせてしまうのは、読者に不親切です。
私であれば「なぜなら」と書き続けます。
すると、書いた本人は、否が応でも、犬よりも猫が好きな理由を考えざるを得なくなります。
面倒くさいですか?
面倒くさがらないでください(笑)。
ここでしっかりと考えなければ、<抽象>を<具体>に変換することはできません。
読者が知りたいのは、「あなたが猫が好き」という情報よりも、「なぜ好きなのか」という理由のほうです。
「なぜなら、猫のほうが人間と対等という気がするからです。人間と犬は主従関係になってしまいますが、人間と猫はどちらも「主」。その関係性が私にはしっくりくるのです」
ここまで具体的に書いてあげれば、読者も納得するでしょう。
「自分のおっちょこちょいぶりには呆れます」と書くときは、「たとえば」と書き続けてみましょう。
「たとえば、今月はすでに傘を2本、電車に置き忘れてしまいました」
「おっちょこちょい」という漠然としたイメージが具体化されることによって、読者の「深く知りたい!」「もっと知りたい!」という欲求が満たされるのです。
先ほど紹介した接続詞のなかでも、「なぜなら」と「たとえば」のふたつは、具体的な文章を書くときに役立ちます。
「私は小説の映画化には否定的です。なぜなら、小説の世界観を上手に映像化した作品に、ほとんど出会ったことがないからです。たとえば、以前に映画化された『ダ・ヴィンチ・コード』は、原作の魅力であった「謎解き」が影を潜め、単に主人公の教授と警察の追っかけっこ物語になっていました」
いかがでしょうか?
ふだん文章を書き慣れていない方は、こうした接続詞を使いながら、物事をできるだけ具体的に書くクセをつけていきましょう。
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